Cytology of nipple discharge with a cell concentration method. Comparative study with a direct smear method.

Abstract
蓄乳法における細胞像の特徴をより明確にすることを目的に, 乳管内乳頭腫8例と乳癌11例の計19例を用い, 直接塗抹法 (非蓄乳法) と蓄乳法にて得られた細胞標本について採取細胞量, 細胞形態および背景の所見を比較し, 以下の結果を得た.1) 赤血球など背景の所見は蓄乳法でより容易に観察できた.2) 細胞量については, 非蓄乳法に比較し蓄乳法の方が平均6.1倍の数の細胞集塊が得られた.3) 核長径は非蓄乳法に対し蓄乳法の方が平均0.5μ収縮して認められた.4) 核形, 核小体の数, 大きさおよび形については非蓄乳法と蓄乳法との問に大きな差はみられなかった.乳頭分泌物を認める患者に蓄乳法を取り入れることにより, 細胞についての情報量ははるかに増加し, 検鏡時間も短くなり, 疑陽性, 誤陰性が減少するものと思われた.

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