A Subtropical Countercurrent (II)

Abstract
海面上の風の応力の分布から計算すると, 北半球では20°Nから25°N乃至30°Nにわたり, 南半球でも20°Sから30°S乃至35°Sぐらいにわたる低亜熱帯域に比較的狭い東向の海流帯が存在することが示される. 但し, 年平均では殆んど消えて, 特にあらわれるのは冬から春にかけて著しい. 最初北太平洋だげに注目していたが, 世界中の大洋の同じような緯度範囲 (南, 北共) にあらわれることがわかった. 北太平洋の西部をはじめとして, 北太平洋の中央部から東部にわたり, 又北大西洋のサルガッソ海にも, また太平洋の表層の力学的高低図などにも, それぞれ観測に基づいた証拠がこの数年間にあらわれはじめ, この東向流帯の実在を示唆していると思われる. 種々のWind stress data を解析した結果, 中緯度高気圧帯のwind stress curl の trough (谷間) が偏西風帯と貿易風帯の境界近く (風の弱いところ) に存在し, このtroughの存在が東向流の原因らしいことが分った. こうして亜熱帯高圧帯の時計まわりの循環流は, 必ずしもいつも一つの循環流ではなくて, 弱く, 若干不規則に変動する狭いcyclonic vorticity の帯によって南北二つに分裂する傾向のあることが示唆される.

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