Antiallergic effects of mequitazine. 1. In vitro experiments.

Abstract
Phenothiazine系の抗 histamine(Hi)剤,10-(3-quinuclidinylmethyl)phenothiazine(mequitazine)のin vitroの抗アレルギー作用を,現在繁用されている抗アレルギー薬および抗喘息薬と比較検討し,以下の成績を得た.1)摘出モルモット気管筋および肺実質のHiによる収縮はmequitazineによりいずれも強く抑制されたが,その作用の強さはketotifenの1/100~1/1000であった.acetylcholineによるこれらの標本の収縮はmequitazineにより強く抑制され(pA2=6.4および6.7),その作用はketotifenに比して若干強かった.leukotriene(LT)D4による収縮もmequitazineはいずれの標本においても抑制作用を示したが,その作用はtranilastに比して軽度であった.一方,PGFによる気管の収縮にmequitazineは影響を及ぼさなかったが,肺実質の収縮を抑制した.2)能動的感作モルモット摘出気管筋のSchultz-Dale反応を10-6g/mlのmequitazineは軽度に抑制したが,10-6g/mlのketotifenは影響を及ぼさなかった.3)摘出モルモット気管筋のCa2+influxによる収縮を10-5g/mlのmequitazineは軽度に抑制した.10-5g/mlのketotifenおよびtranilastも同程度の抑制作用を示した.4)ラット肺由来のcyclic AMP-dependent phosphodiesterase活性をmequitazineは競合的に阻害し,その作用はketotifenの10倍,theophyllineの5倍強力であった.5)10-6および10-5Mのmequitazineはラット腹腔細胞からのアナフィラキシー性およびphospholipase A2によるHi遊離を抑制したが,その作用はtranilastと同程度か,あるいは若干弱く,また,disodium cromoglycate(DSCG)より若干弱かった.6)瑞息患者もしくは健常者白血球からの抗原,antihuman IgE antibodyもしくはCa ionophore A23187によるHi遊離を10-5g/mlのmequitazineは抑制した.7)受動的感作ヒト肺からの抗原によるHi,正TB4およびpeptideLT遊離を10-7~10-5g/mlのmequitazineは濃度依存的に抑制し,その作用はketotifenに比して強かった.また,10-5g/mlのtranilastおよびDSCGもいずれのメジエイター遊離に対してもかなり強い抑制作用を示した.

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