Development of chimaeras produced from highly asynchronous mouse embryos using nuclear transfer technique.
Open Access
- 1 January 1989
- journal article
- Published by Japanese Society of Animal Reproduction in The Japanese journal of animal reproduction
- Vol. 35 (2) , 68-74
- https://doi.org/10.1262/jrd1977.35.68
Abstract
マウス2細胞期(野生色)胚の片側割球の核を2あるいは8細胞期(アルビノ)胚の核と置換してキメラ2細胞期胚を作出し,異なる発生ステージ間の胚からキメラマウスの作出を試みた。また,産子の毛色パターンから移植核の発生動態についても考察した。得られた結果は次ぎの通りである。1)2細胞期胚の片側割球の核を2あるいは8細胞期胚の核と置換したいずれの場合,キメラ胚の胚盤胞並びに移植後の産子の発生率は,それぞれ81%-90%および59-76%といずれも高い値であった。2)2細胞期同士で核置換したキメラ2細胞期胚からは,高率にキメラ個体がえられた。しかし,8細胞期胚の核で置換するとキメラ出現率は減少し,野生色個体は逆に増加した。3)したがって,8細胞期胚の核を持つ2細胞期片側割球由来の細胞は,初期発生の段階で胚内部に位置しずらく,ICMへ分化する率が低いものと考えられた。 核移植技術の利用によるキメラマウスの作出法では,胚自身の接着性を考慮する必要がなく,少なくとも2から8細胞期の胚を用いてさまざまな組み合わせのキメラ生産が可能である。さらに,当該法は初期発生段階における細胞の動態を調べる手段としても有効な方法と考えられた。This publication has 0 references indexed in Scilit: