Clinico-pathologic study on selective accumulation of Lipiodol, an oily contrast medium, in hepatocellular carcinoma.

Abstract
Lipiodol (LPD)の選択的腫瘍内停滞現象が肝細胞癌(HCC)の診断や治療に利用されている.今回,HCCにおけるLPDの腫瘍内停滞について病理形態学的に解析した.腫瘍の組織所見とLPDの腫瘍親和性の本質的な関係を検討するために油溶性抗癌剤溶解LPD動注-TAE併用療法後手術を行なった8症例11病巣を対象とした.LPD動注後CT,切除材料の超軟X-P,組織所見を厳密に比較した.LPDはHCCの血洞,細血管内に特異的に存在した.LPDの選択的腫瘍内停滞は,LPDの粘稠性に加え,腫瘍の異常な血管構築,腫瘍血管の多少,径,また腫瘍内部での網内系の不足と密接な関係をもつことが形態学的に認められた.腫瘍内LPD停滞部は幅広い血洞が発達した索状型HCCの像で壊死が顕著であった.LPD非停滞部は腫瘍血管に乏しく線維性間質を有す硬化型,また血洞の狭少な充実型の組織像で治療効果も乏しかった.腫瘍内部のLPDの分布状態は治療効果ともよく一致していた.

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