Ion Exchange Membranes. X. Cation-Selective Membranes Prepared from Polystyrenesulfonic Acid and Polyvinyl Alcohol

Abstract
線状のポリスチレンスルホン酸(PSA)とポリピニルアルコール(PVA)とからなる均質膜は,100~150℃で適当な時間熱処理すると高度に不溶性となり,容易にかつ安価に性能の優秀な均質陽イオン交換膜が得られることを見出した。そこでこの両者からなる均質膜および合成繊維補強材に浸漬塗布して得た補強膜について,膜組成と熱処理条件を変化させて,得た膜の性能を検討した。その結果,適切な条件下では,きわめてすぐれた性能を有する陽イオン交換膜が得られ,膜中陽イオン輸率0.92~0.96(1N/2N塩化カリウム溶液間),比抵抗50~130Ω・cm(1N塩化カリウム溶液中),膜中陽イナン濃度3~5.5Nの値を示し,高濃度電解質溶液中で,すぐれた陽イオン選択透過性を有する膜を得た。また均質膜を熱処理すると高度に不溶化する主要な原因につき検討した結果,膜中のPVAのOH基が,PSAの酸性を触媒として,分子間で脱水縮合して架橋し,形成される網目構造中にPSAがとじこめられて不溶化するものと推論した。

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