A case of .ALPHA.-fetoprotein-producing gallbladder carcinoma.
- 1 January 1984
- journal article
- Published by Japan Society of Hepatology in Kanzo
- Vol. 25 (9) , 1180-1186
- https://doi.org/10.2957/kanzo.25.1180
Abstract
症例は49歳女性.右季肋部痛と体重減少を主訴に来院した.入院時理学的所見で右季肋部に圧痛を伴う腫瘤を触知し,逆行性胆道造影で胆嚢内の腫瘤を認め,臨床的に胆嚢癌と診断された.初診時から血清α-fetoprotein値が高く,腫瘤の増大に伴って上昇を続け,200×103ng/mlに達した.患者は4カ月後死亡した.剖検の結果,胆嚢壁から内腔を占めるまでに発育した腫瘍と肝・肺・後腹膜腔・リンパ節への転移が認められ,組織学的には中等度に分化した腺癌であった.腫瘍組織内のAFPの染色により,胆嚢癌細胞によるAFPの産生と考えられた.またAFP糖鎖のレクチン親和性による分析では,肝外の消化器癌におけるAFPと異なり,肝細胞癌タイプのAFPであった.胆嚢癌におけるAFP産生例は極めて稀な症例であるとともに,肝細胞癌タイプの糖鎖のAFPが検出された点でも興味深い症例であり,文献的考察を加え報告する.Keywords
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