Abstract
チャック間隔でもって伸びを測定する型のインストロン, テストロン型伸張試験器で, ゴム状物質の伸張試験を行なう場合, 衆知のように, 試料の断面収縮が大きいため, チャック内でのすべり出しが大きい. そのために, 標線を追跡して伸びを測定することが必要となって来る. 光電管で標線を追跡する自記伸張試験器を用いれば, このような問題が解消される. この試験器を用いて天然ゴム及びSBRの応力-伸張曲線を測定したところ, SBRは天然ゴムと違った挙動をすることがわかった. これはSBRが根本的に異なる構造をしているためと, SBRの分子量分布の広いためと思われる. またそのためゴムとベンゼン間の相互作用係数, すなわちハギンス係数μ値を計算する際に問題が生ずるが, 伸張比をαとすれば, f: (α-1/α2) の直線部分よりモジュラスを求めればSBRについても天然ゴムと同様にとり扱えることがわかった. 更に可聴周波振動式レオメータを用いて, 天然ゴム, SBRの動的弾性を測定した. その結果動的弾性の初期弾性率と, 静的弾性のそれとが比例関係にあること, 張動数が200~800cpsの範囲では動的弾性が直線的傾向をもって減少することがわかった.