Clinical features of cerebral embolism
- 1 January 1982
- journal article
- Published by Japan Stroke Society in Japanese Journal of Stroke
- Vol. 4 (1) , 54-62
- https://doi.org/10.3995/jstroke.4.54
Abstract
症状の突発完成, 基礎疾患の存在, 他臓器塞栓症の合併を診断基準として, 274例の急性期脳梗塞から48例の確実な脳塞栓を分離し、臨床像の分析を行った.脳塞栓は非塞栓性脳梗塞に比べ重症例が多く, 傾眠以上の意識障害が半数以上にみられた.48例中11例が死亡し, 重篤な後遺症を残すものが多かった.椎骨脳底動脈系の塞栓は少なく, 内頚動脈系の塞栓が大部分を占め, 左右別の症例数に差は認められなかった.脳血管撮影では, 栓子所見を伴って主幹動脈の閉塞を示すものが多く, 高率に閉塞動脈の再開通現象がみられた.出血性梗塞は1/3の症例に起きたが, 出血性梗塞が症状の増悪因子となるとは言えなかった.脳のみならず, 全身諸臓器に塞栓現象が反復する傾向がみられ, これは脳塞栓の発症後2週間に集中する傾向があった.以上の特徴を有する脳塞栓を分離して取り扱うことは, 脳梗塞の治療上有用と考えられる.Keywords
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