Genotyping of hepatitis C virus and its clinical significance.

Abstract
わが国でのC型肝炎ウイルス(HCV)は,その塩基配列の差から4型に分けられるが,HCV各型の意義については知られていない.そこで,HCV-RNA陽性の肝疾患患者71例にいて,その遺伝子型を2種類の方法で分析した.同時に,スペインの13例,中国の11例の非癌患者についても同様に分析した.非癌患者58例では,K1が44例(75.9%), K2aが9例(15.5%),K2bが4例(6.9%)であり,PTは輸入血液製剤で感染した1例(1.7%)のみであった.肝癌患者13例ではK1が11例(84.6%)と多く,特に大酒家では全例がK1であった.スペイン例ではK2は1例もなく,PTが5例(38.5%), K1が7例(53.8%)であった.一方,中国例ではPTは1例もなく,K1が6例(54.5%), K2aが4例(36.4%), K2bが1例(9.1%)であった.このように,HCVの型別頻度は国によって大きく異なるが,その頻度からみて,K1がHCVの原型で,PTは西洋型の,K2は東洋型の亜型であり,型別分布の差が,各国でのC型肝炎の病態の差に関係していると推定された.

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