An autopsy case of hepatocellular carcinoma with growth in the bile duct diagnosed by percutaneous transhepatic cholangiography

Abstract
肝細胞癌が胆道内に発育し,閉塞性黄疸の転帰をとり,それを剖検にて確認し得た1例に若干の考察を加えて報告する.症例は77歳の男性,右季肋部痛,黄疸のため受診.胆石症を疑ったがα-fetoprotein値が高値を示したため,選択的腹腔動脈造影等の諸検査を行い,肝細胞癌と診断した.約40日の入院経過中,強い胆石様発作と著明な閉塞性黄疸を呈し,経皮的経肝胆管造影にて左右肝管分岐部と,総胆管乳頭部近くに腫瘤状の陰影欠損による胆道内閉塞像を得た.剖検で左右肝管分岐部に肝細胞癌の浸潤による胆道内腫瘤が存在したが,乳頭部近くには腫瘤は認めなかった.病理学的に分岐部の腫瘤の先端は凝血塊とほぼ同様の性状であり,乳頭部にあったと思われるものは凝血塊に近い組織であったと推測され,何らかの胆道内圧上昇により腸管内に押し出されたものと考えた.

This publication has 0 references indexed in Scilit: