Experimental Study of Wave Reflection by a Sloping Beach

Abstract
長さ4mの小型水槽を用いて斜面による波の反射を研究した. 波長数10cm, 波高数mmの小さな波の砕波は, 海岸で観測される砕波やスケールの大きい波を用いる水槽での砕波と異なる. 小型水槽では汀線近くで波の前面に波長数mmの表面張力波が発生して波のエネルギーが消滅する. しかし波の反射率の斜面傾斜, 波形勾配に対する依存はMicheの理論と一致する. 砕波が生じなくなる臨界の斜面傾斜より大きい傾斜の範囲でも, 小さなスケールの波は, 砕波は生じないが多量のエネルギーを失う. このエネルギーロスは, 汀線附近で発生して沖側に発散する表面張力波によってもたらされているように思われる. 斜面のtoeにおける入射波と反射波との位相の差も調べた. 位相差は波形勾配にはよらず, 波長と斜面の長さとの比によってきまる. 波数k, 斜面の長さLとすると, 実験結果はkLの広い範囲で, 位相差がたLに比例することを示す. 簡単なモデルについて計算した位相差は, kLの小さい範囲で実験値と一致した.

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