Immunofluorescence Observation of the Infection of Densonucleosis Virus in the Silkworm, Bombyx mori

Abstract
濃核病ウイルスをカイコ幼虫に経口接種し,経時的に各組織のおしつぶし標本ならびに個体全体の凍結切片標本を作成し,螢光抗体法により感染組織および感染過程について研究した。結果は次の通りである。1. 濃核病ウイルスの特異螢光は中腸皮膜の円筒細胞の核内にのみ認められ,その他の細胞,組織,器官には認められなかった。この結果から,濃核病ウイルスは円筒細胞の核内で増殖することが明らかになった。2. 感染したカイコの中腸のおしつぶし標本では,感染後2, 3日目に螢光細胞が検出されたので,濃核病の早期診断に螢光抗体法が利用できる。3. ウイルス感染初期の中腸皮膜では,特異螢光を示す細胞が中腸全域に散在することから,中腸の特定の部位から感染が進展するとは考えられなかった。4. 感染中期あるいは末期では,中腸皮膜のほとんどすべての円筒細胞に特異螢光が認められたが,中腸前部の噴門弁近くに位置する円筒細胞には特異螢光が認められなかった。

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