Gas Chromatographic Analysis of Ci to C4 Hydrocarbons using Mixed Stationary Liquid of High Polarity

Abstract
パラフィン,モノオレフィン,ジオレフィン,アセチレンおよび脂環族を含むすべてのC1~C4炭化水素類のガスクロマトグラフィーにおいて,極性の高い混合固定相の分離効果を研究する目的で,マレイン酸ジブチル(DBM)-β,β'-オキシジプロピオニトリル(ODPN)混合液の組成と分配係数の関係を検討した。 混合液の成分分子の間に相互作用が働らくことが認められるので,分配係数は必らずしも成分液体の容量分率に比例しないが,n-ブタンを基準として計算した分配係数の相対値の対数と組成との間には近似的に直線関係が認められる。同族の炭化水素ではこの勾配は分子が小さいものほど大きく,ODPNの濃度が高くなるにしたがって分配係数の相対値が大きくなる。また炭素数が同じの炭化水素では,この傾向は類がもっともいちじるしく,ジオレフィン,モノオレフィンの順序に小さくなっている。飽和の脂環族炭化水素も同様の傾向が顕著に認められる。このような効果は炭化水素のπ電子密度とかなり密接な関係があるものと考えられる。 既報のアピエゾン(AO)-DBM系と,本報のDBM-ODPN系の2種の混合液系を用いれば,AOからODPNにわたる極性を異にした各種の固定相液を任意に調製することができ,一般炭化水素の分析に用いられるすべての固定相と類似の選択性を有する固定相液を調製することができる。またDBM93%-ODPN7%を用いればC3のすべての炭化水素をC2およびC4炭化水素から,かなりの程度に分離することができる。

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