Abstract
主鎖, 架橋剤濃度, 構成モノマーの一次構造および合成手法等により種々の物理・化学的構造を有するN-イソプロピルアクリルアミドゲルを合成した.ゲルの表面特性を安息香酸の平衡吸着量により定量化し, 吸着分離材としての性能を分配係数kにより評価した.より疎水的なN-アクリロイルピペリジンとの共重合体ゲルでは共重合比の増加と共に安息香酸の吸着量および分配係数は大きくなる.分配係数比k313K/k283K, k323K/k293KN-アクリロイルピペリジンの10mol%共重合体ゲルにおいて最大となる.主鎖もしくは架橋剤のいずれにおいても親水的なモノマーの混入は安息香酸の吸着量および分配係数を低下させる.ゲルの物理的な網目構造が吸着性能に与える影響は小さく, IPN化やプラズマ開始重合法による合成により, 吸着性能を低下させること無くゲルの機械的強度向上を図ることが可能である.

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