An Ultrasonic Study of the Relationship between Extracranial Carotid Atherosclerosis and Ischemic Cerebrovascular Disease in Japanese.
- 1 January 1992
- journal article
- Published by The Japan Geriatrics Society in Nippon Ronen Igakkai Zasshi. Japanese Journal of Geriatrics
- Vol. 29 (10) , 742-747
- https://doi.org/10.3143/geriatrics.29.742
Abstract
虚血性脳血管障害における頸部頸動脈のアテローム性動脈硬化症の意義を検討することを目的として, 動脈硬化の危険因子を有する229名 (脳血管障害97名, 非脳血管障害132名) を対象として頸部頸動脈病変と, 脳血管障害頻度, CT病型などを比較検討した. さらに頸動脈病変に対する頸動脈雑音の診断精度も併せて検討した.頸動脈病変は7.5MHzの超音波断層装置により頸部頸動脈を観察し, 最大径狭窄度, 潰瘍形成の有無および動脈硬化症の代表値として用いている plaque score の3つの指標により病変を評価した. 脳血管障害97名では全例でX線CT検査を施行し, 病変部位より皮質枝領域と穿通枝領域とに分類した.脳血管障害頻度は頸動脈の plaque score が大きくなるほど, 狭窄度が高度になるほど増加していた. また潰瘍形成が認められる例では認められない例よりその頻度が多い傾向にあった. 脳梗塞のCT病型では40%が皮質枝領域に, 60%が穿通枝領域に病変を認め, 頸動脈の狭窄度が大きい例に皮質枝領域梗塞が多かった. また頸動脈病変診断のスクリーニングとしての頸動脈雑音の高度狭窄病変に対する感度は58%であった.以上の事より頸部動脈のアテローム性動脈硬化が虚血性脳血管障害, 特に皮質枝領域梗塞に関与が大であることが示された. また非侵襲的なCT検査と頸動脈超音波断層検査の結果は虚血性脳血管障害の病態把握にきわめて有用な情報をもたらすものと思われた.This publication has 0 references indexed in Scilit: