Development and comparative evaluation of anti-Cryptococcus neoformans antibody coated latex reagent for serodiagnosis of cryptococcosis.

Abstract
クリプトコックス症の血清学的診断法として有用な, ラテックス凝集反応による抗原検出法をわが国で普及させるため, 抗体感作ラテックス粒子の作製に関する基礎的条件を検討した. また, 作製した抗体感作ラテックス粒子の抗原検出感度および特異性を患者検体を用いて検討し, さらに米国で市販されている感作ラテックス粒子との比較評価を行った. ラテックスの感作条件は抗 Cryptococcus neoformans serotype A ウサギ血清から40%飽和硫安により分画したグロブリンを直径0.81μmのラテックス粒子1mgあたり20μgの割合で感作する方法が最適であった. 本研究で作製した感作ラテックス粒子の抗原検出感度を米国で市販されている感作ラテックス粒子と比較した結果, ほぼ同等の抗原検出感度が得られた. 患者血清を用いたラテックス凝集反応の条件は, プロテアーゼ処理した検体75μlに感作ラテックス懸濁液25μlを滴下し, 10分間反応させた後判定する方法が感度が高く判定も容易であった. クリプトコックス症の血清学的診断における本法の感度は, クリプトコックス髄膜炎の場合は100%, 肺クリプトコックス症の場合は81.8%, 皮膚クリプトコックス症の場合は75%であり, また特異性は血清では100%, 髄液では95%であった. 酵素処理法を組み入れた本法はリウマトイド因子による偽陽性反応や可溶性抗原抗体複合体による偽陰性が除去されるので, クリプトコックス症の血清学的診断法としてきわめて優れた方法であると思われる.