Dehydrogenation of benzyl alcohols with t-butylperoxocobalt(III) schiff base complexes.

Abstract
反応場の変化に応じてジオキシゲナーゼ型およびモノオキシゲナーゼ型反応の触媒活性を示すコバルト(II)シップ塩基錯体が,酸化剤としてt-ブチルヒドロペルオキシドを用いると置換ベンジルアルコールの脱水素反応を触媒し,高選択的に対応する置換ベンズアルデヒドを生成する。生体内酸化反応におけるヘム錯体の示す多様な触媒活性によく似ていて興味深い。この脱水素反応の活性種はt-ブチルペルオキソコバルト(III)錯体種であって,配位不飽和の状態で強い活性を示すが,ジクロロメタン中では溶媒の関与する自己分解が競争的に起こる。配位飽和状態では活性は低下するが脱水素の選択性は増大する。ベンジルアルコールの脱水素反応に活性なt-ブチルペルオキソコバルト(III)錯体は同様の反応条件下ジベンジルエーテルから脱水素しないので,脱水素反応に対しては基質のアルコール性ヒドロキシル基の関与する機構を含むものと考えられる。

This publication has 0 references indexed in Scilit: