THE MOVEMENTS AND INNERVATION OF THE LARGE INTESTINE OF THE BULLFROG (Rana catesbiana)

Abstract
(1) 無麻酔ウシガエルの大腸の正常運動およびその神経支配を研究した.(2) ウシガエルの腹腔を開いてみると, 大腸前半部 (膨大部) は内容で充満しているが, 後半部 (峡部) は縮んで空虚になっている.(3) 開腹後の大腸では, 膀胱開口上縁に拍動が認められ, これらが浅い逆行波となってゆるやかに進行する.時々大腸が縦方向に著しく短縮することがあるが, この運動によっては大腸の内容排出 (排便) は起こらない.(4) 大腸の膀胱開口付近には第10, 第11脊髄神経の分枝が特に濃密に分布しているが, これらの神経を電気的に刺激すると, 上述の運動が著しくたかまる.まず, 大腸の全長にわたって顕著な短縮が起こり, 内容が峡部および総排泄腔中に移動する.これについで大腸全体の緊張が極度にたかまって逆行波は強い輪状収縮波となり, この結果として内容の一部が外へ押し出される.しかし, これは排便運動の一分象であって, この運動についで総排泄腔圧迫筋が反射的に収縮することによって排便が完結するものと考えられる.(5) 第9, 第8脊髄神経は時に弱い亢進効果をおよぼすにすぎず, 第7脊髄神経は無効である.他方内臓神経の切断末梢端刺激は, 時には抑制作用を, 時には亢進作用を示す.(6) 粘膜の局所刺激によっても, また全表面刺激 (腸内圧の上昇) によっても, 粘膜内反射を想起させる反応は認められない.この結果は, ウシガエルでは, 大腸の壁内神経細胞が収縮波の強さや伝播方向を調整する機能をもっていないことを示している.(7) 膨大部では縦走・輪走両筋層間に孤立性, 散在性に神経細胞が認められるが, 峡部では両筋層間ではなく, 侵入神経束に沿って2~15個の神経細胞を含む小神経節がかなり多数に存在する.

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