Reduction of Bi2O3-MoO3 Catalysts with Propylene

Abstract
オレフィン酸化における酸化ビスマス-酸化モリブデン系触媒の機能を明らかにするために, 6種の触媒のプロピレンによる還元反応を 450~700℃ で行ない, 触媒の相変化とプロピレンからの生成物の相違を追跡した。 X線回折によれば, 触媒はいずれも MoO2 と金属ビスマスまで還元されるが, その経路は各化合物により異なる。(1) MoO3[I]→Mo4O11→MoO2, (2) Bi2O3・3MoO3[II] または Bi2O3・2MoO3[III]→Bi2O3・2MoO3[IV]+MoO2→MoO2+Bi, (3)[IV]→MoO2+Bi, (4)3Bi2O3・MoO3[V]→IV+Bi→MoO2+Bi, (5) Bi2O3[VI]→Bi。一方 I, II, III, IV の還元反応ではアクロレインと炭酸ガスが接触酸化反応と同じ選択率で生成し, V では中間体 IV の還元が起こるようになって初めてアクロレインが生成する。また VI では生成物は炭酸ガスのみである。このようにアクロレイン生成には MO6+→Mo4+ の還元反応が不可欠であり, Mo6+ は酸素キャリヤーとしての役割を果たしている。 さらに, II, III, IV の還元反応初期のみかけの活性化エネルギーを求めた結果, 接触酸化反応と同じ値が得られた。これらの事実から, 接触酸化反応は触媒の酸化還元サイクル (Mo6+〓Mo4+)で進み, しかも還元過程を律速段階とするといえる。