Effect of the novel calcium antagonist AE0047 on responses of isolated dog blood vessels to vasoconstricting agents and to nerve stimulation.

Abstract
イヌ摘出血管標本を用い,新規Ca拮抗薬AEOO47の各種薬物による血管収縮作用,ならびに経壁電気刺激あるいはニコチンによる血管支配神経刺激作用に対する効果を検討した.腸間膜動脈および腸間膜静脈においてAEOO47はKCIによる濃度依存性の収縮反応を抑制し,その作用は腸間膜静脈において強かった.また腸間膜動脈および脳動脈においてAEOO47はプロスタグランジン(PG)Fおよびセロトニンによる濃度依存性の収縮反応を抑制し,その作用は脳動脈において有意に強かった.腸間膜動脈においてAEOO47はノルエピネフリンによる濃度依存性の収縮反応を抑制し,その作用は長時間持続し,標本を繰り返し洗浄しても収縮は容易に回復しなかった.高濃度K+で刺激した腸間膜動脈におけるCa2+除去液中のCa2+収縮を,AEOO47はPGF刺激下のCa2+収縮より強く抑制した.フェントラミン処置下で予めPGFにより軽度収縮させた冠動脈において,AEOO47は経壁神経刺激による弛緩反応を抑制したが,神経刺激と同程度に弛緩させるノルエピネフリンによる弛緩反応には影響を及ぼさなかった.また,PGFにより予め軽度収縮させた脳動脈において,AEOO47はニコチンによる弛緩反応を抑制したが,一酸化窒素(NO)による弛緩反応を変化しなかった.以上の結果より,AEOO47は電位依存性のCaチャネルを介する血管収縮を選択的に阻害すること,脳動脈を他の動脈に比べて強く弛緩すること,これらの作用は長時間持続することが明らかとなった.さらに末梢の静脈血管においても強い血管収縮抑制作用を示した.また,既存のジヒドロピリジン系のCa拮抗薬とは異なり血管支配神経終末からの伝達物質遊離を抑制する作用を有することが示唆された.

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