Migration Tests of Cadmium and Lead from Paint Film of Baby Toys

Abstract
玩具塗膜中のカドミウム(Cd)および鉛(Pb)の規格設定のため,食品衛生法と ISO 8124-3 の溶出試験法および規格値について比較検討した.塩化ビニル樹脂塗料とアクリル樹脂塗料にCdおよびPbを1,000 mg/kg添加し,ガラス板に塗布乾燥して塗膜を調製した.食品衛生法に従い塗膜1 cm2あたり2 mLの水を用い40℃ 30分間静置したところ,いずれも溶出は認められなかった(定量限界各0.1 μg/mL).また容媒を 4% 酢酸や0.07 mol/L塩酸に変更したところ,アクリル樹脂塗料では0.3~2.3 μg/mLの溶出が見られたが,塩化ビニル樹脂塗料では認められなかった.一方,ISO規格に従い塗膜を削り取って粉砕し,その50倍量の0.07 mol/L塩酸を加えて 37℃で1時間静置したところ,すべての試料で規格値を3.5~12倍超過する溶出が認められた.ISO規格の試験法は塗膜を粉砕したのち酸性溶媒で溶出するため溶出力が強く,規格値が高いにもかかわらずより厳しい規格であることが確認された.

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