Three dimentional examination on the hepatocyte cytoskeleton of obstructive jaudice liver by quick freezing and deep-etching replica method.

Abstract
閉塞性黄疸肝の肝細胞サイトスケレトンの三次元的微細変化を検索するために,従来の超薄切片電顕像に加え,急速凍結・ディープエッチングレプリカ法を用いて,総胆管を1週間二重結紮したラット肝を観察した.毛細胆管周囲性マイクロフィラメント(BCMF)は拡張した毛細胆管の周囲に網状に増加し,さらに接着装置周囲にも拡大していた.BCMFの一端は毛細胆管膜と,もう一端ではやはり増加している中間径フィラメント(IF)や小胞に端側結合していた.IFは毛細胆管周囲以上に,接着装置に平行あるいは直接結合する形での増加が顕著であり,接着装置の補強像と考えられた.さらにIFは肝細胞質内の辺縁部でも著増し,しばしば束状化していた.以上のような変化は,急激な胆道内圧上昇及び胆汁うっ滞に対するサイトスケレトンの適応現象と思われた.これに対し,核周囲の細胞質におけるIFを主としたサイトスケレトンや小器官の配列は三次元的にもほぼ正常であった.