A histopathologic study of early hepatocellular carcinoma (HCC): Portal tract invasion and progression to advanced HCC

Abstract
積極的に手術・摘出された微小肝細胞癌58症例79結節を肉眼及び組織学的に検索した.今まで漠然と考えられていた肝細胞癌の初期像及び剖検例を中心にした進行癌への進展様式を明らかにした.初期肝細胞癌は細胞異型の少ない癌細胞から成り非癌肝組織との境界が肉眼的,組織掌的に不明瞭である.癌結節内には,門脈域が存在するが癌細胞の浸潤を受け分かりにくくなる.結節内に巻き込まれた間質の線維組織も癌細胞の浸潤で薄くなり消失する.高分化型の癌細胞結節内に低分化型の癌細胞の結節が生じ,増大に伴い高分化型を圧迫し萎縮・脱落させ被膜を形成し低分化癌細胞の境界明瞭な結節即ち進行癌へと進展する.