Abstract
自然界や生体などには多くの微量元素が種々の有機や無機の化合物形態(化学種)で含まれ,その役割,毒性,動態などが相異する.このような化学種を定性・定量することが最近特に要望され,数多くの研究が発表されている.このための分析方法としては感度と選択性が必要とされることから水素化物生成/原子スペクトル分析法(本稿ではICP質量分析をも含めた)による化学種分析について総説した.まず,水素化物生成/原子スペクトル分析法について総括的に述べた.そしてこの手法が適用できる8種の水素化物生成元素であるヒ素,ビスマス,ゲルマニウム,鉛,アンチモン,セレン,スズ及びテルルの化学種分析について元素ごとにあるいは定量された化学種ごとに実際に種々の試料に応用された報告例を中心に分類しながら総説した.

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