A Case of Multiple Carcinoid Tumors of the Rectum Maximally 9mm in Diameter with Lymph Node Metastasis.

Abstract
直腸カルチノイドは大腸内視鏡検査の普及により,報告例は増加しているがその多くは単発例で,多発例は希である.著者らは直腸の多発カルチノイドの1例を経験したので多発カルチノイドの本邦報告例の集計とともに報告する.症例は64歳男性で腹部不快感を主訴に来院し,肛門縁から10cmの直腸に3個の腫瘍を認め,生検でカルチノイドと診断された.低位前方切除術を施行し,切除標本で2~9mm大の9個のカルチノイドと,腫瘍直下のリンパ節転移を認めた.患者は術後12カ月経過した現在,転移・再発は認めていない.10mm以下の直腸カルチノイドの転移は希とされるが,自験例では最も大きな腫瘍の最大径は9mmと小さかった.直腸カルチノイドは多発しうることを考慮して,術前には十分な検索が必要と考えられた.また個々のカルチノイドが小さくてもリンパ節転移を示す可能性のあることも考慮して,治療法の選択や経過観察することが必要と考えられた.

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