Abstract
1967年6月, おしょろ丸第24次航海の際に, 北緯48°~58°, 西経178°の線上で, 表層から1,500mまで, 温度, 塩分, 溶在酸素, 亜硝酸, セストン乾重量, セストン中の有機炭素, 窒素, クロロフィルa, 及びフェオ色素を測定した. 表層における全セストン中の有機炭素: クロロフィルaの比は, 非常に高く, ほぼ500に達し, 又両者の表層垂直分布の間に明瞭な逆相関が得られた. この事は光合成によらない何らかの粒状有機物生産が海表面において起っていることを推測させる. 粒状有機炭素の全層にわたる垂直分布は水の成層と良い対応をもっている. すなわち, 顕著な粒状物極少層が中冷水と一致して出現し, 又, 第二の粒状物極大層は塩分躍層上部の密度躍層にある. さらに, これ以深1,000mまでに, 極大が2層現われている. 有機炭素: 有機窒素比の特徴的な分布から, ベーリング海の中層, 深層の粒状物の分布は反時計回りの海水循環による水平移流に起因しているものと考えられる.

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