A case of giant focal nodular hyperplasia of the liver in young male

Abstract
患者は右季肋部腫瘤を主訴とした20歳の男.12歳の時すでに指摘されていた肝腫大が成長とともに徐々に増強したので,検査目的で入院した.肝が右鎖骨中線で5横指腫大し,触診上弾性硬であった.肝機能はほぼ正常であったが,99mTc-コロイドによる肝シンチグラムでは右葉前区のactivityの低下とfocal defectがあり,99mTc-PIによる肝・胆道シンチグラムではほぼ正常のactivityを示し,その排泄も良好であった.腹腔動脈造影では,右肝動脈が著明に拡張し,多数の動脈分枝が腫瘤の中心部より遠心性に広がり,その毛細血管相で境界鮮明なtumor stainを認めた.腫瘤は赤褐色,成人頭大で,線維性隔壁により大小の結節に分けられていたが,右葉に限局していたので,右葉切除を行った.その組織像は成熟肝細胞の結節状増生と,それを取り囲む線維性結合織内に壁の肥厚した血管が散在し,両者の境界部には胆管の増殖とリンパ球の浸潤を認め,focal nodular hyperplasiaと診断された.術後1カ月で軽快退院した.

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