Treatment of Patients with Esophageal Carcinoma Above and 80 Years-old.

Abstract
1990年までの11年間に防衛医科大学校第2外科および国立大蔵病院外科で入院治療を行った食道癌のうち80歳以上の19例を対象に術前状態を分析し治療法別に成績を検討した. 1) 19例中18例に循環, 呼吸, 肝, 腎のいずれかに機能障害がみられたが, とくに循環機能障害, 呼吸機能障害は約半数に認められた. 2) 5例に放射線治療を施行し, うち2例は6か月生存したが, 1年生存は得られなかった. 3) 12例には開胸による一期的食道切除再建術が行われた. 術死+在院死は41.7%であったが, 1年生存率33.3%が得られた. 4) 手術例の在院死の原因は肺合併症がもっとも多かったが, 再建臓器の血行障害による多臓器機能不全の部分症と考えられるものが半数を占めた. 5) 2臓器以上に機能障害をともなう症例, 根治度C0になると予測される症例, 放射線治療後再発例などには手術適応はないと考える.