A case of periodic fever.

Abstract
55才の男性,高校教師. 20数年以上の間, 2日間37.5°Cから38.5°Cの発熱, 3日間平熱という,ほぼ5日を周期とする周期熱をくり返した.本症例は日本在住で,海外旅行の経験はなかつた.有熱時,軽い咳嗽を認める以外,自覚症に特徴的なものはなかつた.検査所見上,血清抗体価を含めてマラリアは否定された.さらに有熱期,無熱期に分けて一般検査,ならびにetiocholanoloneを中心に17-KSの分画定量, catecholamineの定量などのホルモン測定を行なつたが,特異的所見はみられなかつた.治療として,各種抗生物質, colchicine, reserpine, prednisoloneなどの投与を行なつたが,効果はえられなかつた.本例を本邦で報告された周期熱と対比して検討した.以上より,本例は本態性周期熱といわれるものと考えられた.