Accelerating Effect of Calcium Carbonate on Graphitization of Carbon under Pressure

Abstract
さきに,天然産有灰石共存下において炭素を加圧加熱処理すると,その黒鉛化が非常に促進されることを報告した(Bull.Chem.Soc.Japan,41,1245(1968))。本研究では黒鉛化におよぼす共存鉱物の化学的および物理的性質の効果についての知識をうるために,ポリ塩化ビニル炭を純度の高い炭酸カルシウムの加圧成型体でサンドイッチ型にはさみ,単純ピストン・シリンダー型圧力容器中で3.2kb加圧下および常圧の窒素気流中で加熱処理した。また,共存炭酸カルシウムなしで同じく3.2kb加圧下での加熱処理も行なった。 炭酸カルシウム共存加圧下において1070℃以上に加熱処理された試料では,その(002)および(004)回折線図形の解析から黒鉛構造成分の出現が認められ,また,電子顕微鏡観察により,黒鉛と同じ六回対称の回折スボットを与える粒が認められた。黒鉛成分が出現する温度は石灰石共存の場合とほぼ同じであるが,加熱処理温度に伴う黒鉛成分の割合の増加は,石灰石共存の場合に比べて遅かった。黒鉛成分の割合と石灰石あるいは炭酸カルシウム成型体の再結晶層の厚さとは密接な関係があるように思われた。石灰石と炭酸カルシウム成型体の黒鉛化促進効果の差は,それらの純度や気孔率の差に関係しているように思われる。

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