Effect of Acid-forming Stimulators on Citric Acid Fermentation from the View of the Aconitase Activity
Open Access
- 1 January 1969
- journal article
- Published by The Chemical Society of Japan in The Journal of the Society of Chemical Industry, Japan
- Vol. 72 (2) , 509-512
- https://doi.org/10.1246/nikkashi1898.72.2_509
Abstract
クエン酸発酵菌における菌体無細胞抽出液のアコニターゼ活性と菌体増殖および酸蓄積との関係を検討し, 不完全酸化物であるクエン酸の蓄積を説明しようと試みた。その結果, 本活性は菌体増殖との関連性のみならず, エネルギー代謝の上でのクエン酸回路の運行状態を示し,さらに,クエン酸の蓄積量を決定する因子の一つであることを認めた。その活性はRamakrishnanらもAsp.niger で認めているように培養5,6日目を境として急激に低下し, かつこれは培地中の窒素源の消耗に起因する菌体増殖の停止,酸蓄積の開始と並行し,その後の活性は培地に蓄積されるクエン酸量と相関する。 さてメタノールの生酸増進効果は本酵素,その合成系に対する直接作用によるものではないが,活性を低位に保ち,好気的な糖代謝を抑えている。黄血塩による効果は,アコニターゼの活性の黄血塩添加による急激な消失から,本酵素合成系に対する直接阻害として認められた。従来からの菌体増殖抑制に対する効果も認められるが生酸に対するこれら諸効果の寄与に関しては不明である。さらに培地pHと本酵素活性の関連性を検討し,培地高pHは,培地中のクエン酸を減少させるが,これをアコニターゼ活性の増大として認めた。しかしながら,本報の結論はアコニターゼの酵素としての特異性からこれに連鎖する酵素系の挙動を併せて考慮する必要がある。This publication has 0 references indexed in Scilit: