Changes of Milk Protein by Psychrotrophic Organisms

Abstract
FlavobacteriumおよびPseudomonasの2種の低温性細菌を用い,カゼインおよびホエータンパク質に対する影響を検討した. 培養は5°Cで3日, 7日および14日間行なった. (1) 接種した2菌株は,カゼインに対して強いタンパク分解作用を示し,接種後7日目以降でクロマトグラムにおいては, β-カゼインおよびαs-カゼインピークが減少し,非吸着性および溶出の早いピークが増大した. (2) PAE図において,接種後7日目のものでS-カゼインに位置する物質のバンドおよびαs-カゼインがわずかに見られ,それよりも移動度の大きい物質のバンドも見られた.接種後14日目では, αs-, β-カゼインも消失し,移動度の大きいバンドがわずかに見られた. (3) ホエータンパク質については,その変化は顕著でなく,接種後14日目のものでもクロマトグラムおよびPAE図パターンともに,ほとんど変化は見られなかった.