Feeding Stimulation of the Organic Acids Characteristic to the Polygonaceous Plants in Four Species of Chrysomelidae

Abstract
1) タデ科植物を寄主とするハムシ4種に対してジカルボン酸11種,オキシ酸3種の摂食刺激活性を調べた。2) タデ科に存在が知られているシュウ酸,リンゴ酸酒石酸,クエン酸は,ショ糖の共存下でコガタルリハムシ,オオイタドリハムシ,イタドリハムシに顕著な摂食刺激活性を示した。またオオイタドリハムシ,イタドリハムシの2種では,ショ糖を混ぜないそれぞれの酸単独でさえも若干の刺激活性がみられた。3) さらにコガタルリハムシではシュウ酸からセバシン酸にいたるまでの飽和ジカルボン酸9種,およびマレイン酸,フマル酸の不飽和ジカルボン酸についても,ショ糖の存在下で顕著な摂食刺激活性が得られた。4) オオイタドリハムシではシュウ酸からアジピン酸までの5種の飽和ジカルボン酸およびマレイン酸,フマル酸がショ糖存在下で顕著な摂食刺激活性を示した。5) 一方,イチゴハムシについては,コハク酸が弱い摂食刺激活性を示したに過ぎない。6) 以上の結果から,タデ科を特異的に食べる3種のハムシの寄主特異性に植物中の水溶性有機酸の摂食刺激活性が関係している可能性を指摘した。一方,イチゴハムシではそのような酸の摂食刺激活性がみられず同種の寄主特異性機構の複雑さが推察された。