Serodiagnosis of cryptococcosis.

Abstract
わが国において, クリプトコックス症の血清学的診断法を普及する目的で, 抗原検出法として抗体感作ラテックス凝集反応 (LAテスト) を,抗体検出法として加熱菌体を用いたスライド凝集反応 (CSAテスト) を検討した. 当教室に検査依頼のあった34例のうち25例は医師により診断がつけられていたもので, そのうち13例はクリプトコックス髄膜炎, 9例は肺クリプトコックス症, 3例は皮膚クリプトコックス症であった. 9例は診断が未確定であった. LAテストに用いた感作ラテックス粒子の Cryptococcus neoformans A型株の多糖類抗原に対する最小抗原検出濃度は 2.4~9.8ng/mlであった. 上記25例の診断の確定した患者のうち21例 (84%) が抗原陽性であり, 5例 (20%) が抗体陽性であった. また, 9例 (28%) は可溶性抗原抗体複合体を形成していた. 13例のクリプトコックス髄膜炎患者では全例に抗原が検出された. 肺および皮膚クリプトコックス症では, 両者とも67%の抗原検出率であった. 診断未確定の9例のうち1例がLAテストでクリプトコックス髄膜炎と診断された. 他の1例はCSAテストで肺クリプトコックス症が疑われる結果を得た. リウマチ因子との交差反応性は, 患者血清を pronase 処理することにより除去され, また可溶性抗原抗体複合体もこの処理により抗原が遊離することが示唆された. クリプトコックス症の迅速診断には, LAテストを最初に行ない, 次にCSAテストを行なうことが望まれる.

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