Behavioral and EEG effects of triazolam in comparison with those of diazepam

Abstract
マウス,ラット,ウサギを用い,triazolamの行動薬理学的作用ならびに脳波作用について,diazepamの作用と比較検討した.1)中隔野破壊ラットの情動過多,嗅球摘出ラットの情動過多ならびにmuricideに対するtriazolamの抑制作用は,diazepamより4~5倍強力であった.2)長期隔離マウスの闘争行動に対する抑制作用はdiazepamとほぼ同程度の強さであったが,triazolamの作用は持続がはるかに長く,また筋弛緩も著明であった.3)マウスの最大電撃けいれんに対するtriazolamの防止作用はdiazepamの1/10の強さであったが,pentetraozlけいれん防止作用は逆にdiazepamより約4倍強力であった.4)マウスのinclined screen法によって検討したtriazolamの筋弛緩作用はdiazepamの約34倍も強力であった.5)マウスのrotarod法による協調運動抑制作用もtriazolamの方がdiazopamより約17倍強力であった.6)慢性電極を脳内各部に植込んだ無麻酔ウサギの脳波を測定し,triazolalm O.2~0.5mg/kgを静注すると,行動上ウサギは鎮静および筋弛緩を示し,脳波は徐波成分が増加して傾眠パターンとなる.またbenzodiazepinesに特有な低電圧速波が徐波に重なって出現した.同時に音刺激および中脳網様体,後部視床下部の電気刺激による脳波覚醒反応は著明に抑制きれ,また海馬あるいは扁桃核刺激による大脳辺縁系後発射も著明に抑制された.triazolamの脳波作用は質的にはdiazepamと同様であるが,それよりも4~5倍強力と考えられる.以上triazolamの作用は質的にはdiazepamに類似するが,全般的にdiazepamより強力であり,持続が長い.作用プロフィルからみると,馴化作用,抗pentetrazolけいれん作用,脳波作用はdiazepamの4~5倍程度の強きであるが,筋弛緩作用は30倍以上も強力な点が特徴と考えられる.