Oxidation of phenols and hydrazones with t-butyl hydroperoxide and catalysis by Co(salen).

Abstract
有機ペルオキシド金属錯体を単離してその反応性を研究することは金属触媒を用いる有機ヒドロペルオキシド酸化反応の機構を知るうえで重要である。 t-BuOOH と Co(salen)との反応で好収率で得られる (t-BuOO)Co(salen)は 2,6-ジ-t-プチルフェノール類(PH),ヒドラゾン類と反応して基質の水素を引き抜き, t-BuOOH 存在下では, t-BuOO-基をこれらの基質に定量的に導入する。この反応は触媒き的に進行し, p-位にアルキル基,置換フェニル基,アシル基をもつ PH では 4-t-ブチルジオキシ-2,6-ジ-t-プチル-2,5-シクロヘキサジエノン誘導体が選択的に生成し,p-位に置換ビニル基をもつ PH ではビニル基が回転自由である場合には t-BuOO-基は側鎖に,画転障害が起こると o-位にそれぞれ選択的に導入される。ケトン類の p-ニトロフェニルヒドラゾンでは t-BuOO-基は C=N 基炭素上に導入され,gem-アゾペルオキシ化合物を少量の対応するアゾキシペルオキシドとともに生成する。いずれの反応も基質ラジカルと t-BuOOH との反応として理解することができる。この酸化反応は Co(salen)を触媒としてもまったく同様に起こり,ペルオキシ錯体が触媒活性種となっている。

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