Superior mesenteric venous blood flow and portal hemodynamics in various liver diseases.

Abstract
健常者110例,慢性肝炎活動性41例,肝硬変65例,特発性門脈圧亢進症13例の門脈,脾静脈,上腸間膜静脈の血流を,超音波ドップラー法で測定し,次の結果を得た.1) 肝硬変では,脾静脈血流量と上腸間膜静脈血流量の間に相補的な関係が存在し,門脈血流量は健常者に比して比較的よく維持されていた.2) 特発性門脈圧亢進症では,脾静脈血流量は著増し,上腸間膜静脈血流も抑制的な対応をせず,門脈血流量は健常者に比して増加していた.上記の結果により,肝硬変では門脈血流量維持のための脾・腸相関が存在し,腸管領域のhighinflow stateが生じている例がある.一方特発性門脈圧亢進症では門脈血流量は増加し,肝硬変にみられる脾・腸相関は存在しないと考えられた.