Abstract
高等植物の自然倍数体に関して報告された13属の例と, 人為倍数体に関して報告された31属の例とを資料として, 自然倍数体と人為倍数体との気孔長の増大率がどのように相異しているかを研究し次の結果を得た。1. 自然同質倍数体の気孔長は人為同質倍数体のそれよりも三倍体において14%, 四倍体において18%, 六倍体において35%, 八倍体において22%小さい。又自然異質倍数体の気孔長は人為異質倍数体のそれよりも四倍体において18%, 六倍体において29%小さい。同じ傾向は自然倍数体と人為倍数体とがゲノム構造において類似している場合においても見出された。このことから自然倍数体の細胞容積は人為倍数体のそれよりも小さいことが推定される。2. 自然倍数体においては細胞容積の増大率は核量の増大率と同じか又はそれより低いが, 人為倍数体においては細胞容積の増大率は核量の増大率よりはるかに高い。

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