Stress relaxation analysis of food gels according to the cooperative flow theory.

Abstract
パーソナルコンピューター接続型応力緩和測定システムと協同流動理論に基づく解析処理プログラムを開発し,応力緩和現象に関するレオロジー的性質と走査型電子顕微鏡観察から,食品ゲル素材のハイドロゲルの構造解析を試みた。得られた主要な結果は,以下のとおりである。(1) 応力緩和パラメーターの解析処理時間は1データファイル(8000データ)当たり約10分間で,応力緩和解析のバッチ処理が可能なため,解析操作の省力化と迅速化に役立つことが明らかとなった。(2) 1% (w/w)寒天ゲル,2% (w/w)低メトキシルペクチンゲル,1% (w/w)κ-カラギーナンゲル,3%(w/w)ゼラチンゲルの4種類のゲルにおいて約0.3秒からの緩和現象が把握できた。(3) 寒天ゲルを除く他の3種類のゲルでは,ゲル構造単位がlamellar様構造などの1次元的最密充てん状態とfibril様構造などの2次光的最密充てん状態の混在した状態にあり,ゲル構造の内部結合エネルギーはそれほど強くないことが示唆された。(4) 緩和時間が長いゲルほど密なゲル構造をとっていた。また,ネットワーク構造を形成しているゲル(寒天,ペクチン,カラギーナン)には,少なくとも短時間側(10-1~10s)と長時間側(10~103あるいは10~104s)の2段階の緩和機構が存在し,密な粒状構造をとっているゼラチンゲルには,長時間側(<104s)のみの緩和機構が存在することが考えられた。(5) 協同流動理論を食品素材ゲルの粘弾性解析に導入する場合,単一に近いレオロジー的挙動をとる試料については,その構造解析に有用であると考えられた。

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