Abstract
Asp. nigerを使用しカンショ( 甘藷) デンプン酸糖化液を原料とするクエン酸生産について研究した。使用菌はデンプンから直接酸発酵することはできず, デンプンをグルコースにまで加水分解した時に最高の生酸をみる。しかしグルコースの酸分解物は発酵に有害なのでデンプンの過度の糖化はさけなければならない。適当な糖化条件はデンプンの仕込濃度を13°Beとし,液の酸濃度は硫酸5g/lで,3atmで60分の加圧蒸煮がよく,得られた90%前後の糖化率の液を炭酸カルシウムで中和後ロ過し, 所定の塩類およびメタノールを2(v/v)%加えて9日間培養し, 使用した糖に対し50~60%の収率でクエン酸を得た。デンプンを酵素で液化後酸糖化すると先の糖化条件は緩和できる。糖化液を陽イオン交換樹脂で精製すると発酵は促進される。またメタノールの効果的利用法として種培養法を採用すれば,種培養にのみメタノールを加えれば本発酵培地にメタノールは加えなくとも加えた場合と同程度の生酸をみる。この方法によってメタノールの使用量を通常の数分の一に軽減することができる。

This publication has 0 references indexed in Scilit: