METHYL BROMIDE POISONING : A PROPOSAL FOR A NEW CLINICAL CLASSIFICATION AND THE RESULTS OF ITS APPLICATION TO FIFTY-SEVEN CASES SO FAR REPORTED IN JAPAN

Abstract
1)自験例14例をふくむ本邦の文献症例57例を検討しメチルブロマイド中毒症の病型分類を試みた.軽症型急性中毒,重症型急性中毒,激症型急性中毒,および慢性中毒の4型である. 複雑で多彩な病像を呈する本中毒症のすべてに共通する検査法がない今日,病像の把握と診断にこの病型分類が有用であろう. 2)メチルブロマイド中毒症の各臨床病型について,潜伏期,主症状,予後はつぎの通りであった. 潜伏期は,軽症型急性中毒では数分から数時間であり,重症型急性中毒では主症状の発現迄に初発症状より数時間を要した.激症型急性中毒は数時間以内に発症している. 主症状は,軽症型急性中毒では頭痛,めまい,悪心,嘔吐(初発症状群)であり,重症型急性中毒では昏睡と全身痙攣,激症型急性中毒では急性肺浮腫,慢性中毒では歩行失調であった. 予後は軽症型急性中毒は数週以内に全治し,重症型急性中毒は半永久的後遺症を残し,激症型急性中毒は48時間以内に死亡し,慢性中毒は軽快までに数カ月以上を要した. 3)本邦症例の臨床病型の内わけはつぎのごとくであった.軽症型急性中毒5例,重症型急性中毒3例,激症型急性中毒2例,および慢性中毒15例. 自験例では軽症型急性中毒4例.重症型急性中毒2例,慢性中毒8例であった. 4)急性中毒の積重ねのない慢性中毒症と思われる症例は,本邦例では6例(40%)だが,自験例では1例(13%)のみであった.

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