Some Material Properties of Cerium Sesquioxide
- 1 January 1968
- journal article
- Published by Ceramic Society of Japan in Journal of the Ceramic Association, Japan
- Vol. 76 (872) , 116-122
- https://doi.org/10.2109/jcersj1950.76.872_116
Abstract
三二酸化セリウム (Ce2O3) の材料物性は, 従来ほとんど検討されていなかった. Ce2O3は二酸化セリウム (CeO2) を水素中1400℃以上で還元して得られる. このようにして得た焼結体および粉末を用いて測定を行ない, 以下の結果を得た. (1) Ce2O3は極めて酸化しやすく, 空気中では室温でも酸化の進行が認められ, 加熱した場合は約60℃以上で急激に酸化しCeO2になった. また通常の真空中, アルゴン中, 水素中でも数100℃から1000℃の温度では, いくらか酸化して中間相 (CeO2-x) を生成した. アルカリには不溶, 酸にはゆっくり溶け, 水と反応して水和物をつくることが観察された. (2) Ce2O3の小片を水素気流中, タングステン炉で融点を測定し, 2210±10℃の値を得た. Ce2O3は水素中で融点まで安定に存在したが, 中間相は不安定であった. (3) 熱膨脹の測定から, 線膨脹係数として, Ce2Oに対しては室温で12.0×10-6deg-1, 1350℃で14.8×10-6deg-1が, CeO2に対しては室温で10.0×10-6deg-1, 1100℃で13.5×10-6deg-1が得られた. (4) 電気伝導度の対数logσと温度Tとの関係は, 約950℃にクニックを持つ直線で表わされる. σ300°K=7.7×10-7Ω-1cm-1, σ1673°K=8.0×10-2Ω-1cm-1で活性化エネルギーは高温域で0.95eV, 低温域で0.40eVで, 低温域では, Ce4+の混入による一種のホッピング型電導が現われたものとみなされる. (5) 77°Kから300°Kの間で, Ce2O3の磁化 (M) と磁場 (H) の関係および, 1/xとTの関係はいずれも直線的で常磁性的挙動を示した. θp=-90°K, μeff=2.44 B. M. は理論値と良く一致した.This publication has 0 references indexed in Scilit: