So-called “moyamoya” disease with intracerebral hematoma
Open Access
- 1 January 1980
- journal article
- Published by Japan Stroke Society in Japanese Journal of Stroke
- Vol. 2 (1) , 1-7
- https://doi.org/10.3995/jstroke.2.1
Abstract
症例は39歳男性.52. 5. 17, 突然, 頭痛,嘔吐,左半身の麻痺で発症し, 第7病日に当科へ入院した.入院時, 意識障害 (半昏睡) および顔面を含む左半身の片麻痺と感覚障害を認めた.右総頚動脈写上, “モヤモヤ” 病に特徴的な内頚動脈C1部の閉塞と脳底部の異常血管網および被殻部の巨大な脳内血腫を示す所見であった.緊急手術にて血腫を除去したのち直ちにSTA-MCA anastomosisを行った.術後の経過は順調で,左上肢にごく軽度の脱力を認めるのみで元の職場に復帰した.術後6ヵ月目に行った追跡脳血管写上,浅側頭動脈の著明な拡大を認め,これを介して中大脳動脈の全枝が造影されていた.また初回検査時に認められた“モヤモヤ” 血管群がほぼ完全に消失していた.この所見から,STA-MCA anastomosisによるbypass作製術が,“モヤモヤ” 病症例に対し,血行改善と再出血防止の両方の意味から有力な治療法になり得ることを指摘した. (1) 39歳男性.脳内血腫を伴った, いわゆる “モヤモヤ” 病症例に対し, 血腫を除去したのち直ちに, STA-MCA anastomosisを行ったので報告した. (2) 術後6ヵ月の追跡脳内血管写上, 術前認められた脳底部異常血管網のほぼ完全な消失とSTAの著明な拡大を認めた.この所見からSTA-MCA anastomosisによるbypass作製術が, “モヤモヤ” 病に対し, 血行改善と再出血防止の両方の意味から有力な治療法になり得ると考えられた. 本論文の要旨は, 第3回日本脳卒中学会 (昭和53年, 秋田) にて発表した.Keywords
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