A Case of Type IIc Cancer Having Submucosal Venous Invasion without Direct Submucosal Invasion.

Abstract
癌が粘膜に限局している状態で粘膜下層に脈管侵襲を認めた大腸IIc型癌を経験した,患者は61歳男性で,6年前に胃癌で手術を受け,2年半前に大腸多発癌で手術を受けていた.術後経過観察目的の大腸内視鏡検査で,下行結腸に陥凹性病変を認め,他に多発の大腸ポリープも認めた.陥凹性病変は生検で腺癌であったため,既往の手術により盲管となった左側横行結腸と下行結腸を切除した.検索の結果,下行結腸の陥凹性病変は大きさ4×6mm大のIIc型癌で,癌は粘膜に限局していたが,粘膜下層の静脈に脈管侵襲をきたしていた.その他,2mmのIIb型のde novoのm癌を含む多発早期癌を認めた.胃癌では粘膜下浸潤の一形式として脈管侵襲によるものが報告されているが,大腸において現在まで,このような浸潤形式の報告はないので報告した.