nippon kagaku kaishi

Abstract
担持白金触媒や種々の金属酸化物触媒および両者の物理的混合系,さらに金属酸化物に白金を直接担持した触媒系について,パルス法によるNO分解活性の比較検討を行なった。いずれの触媒でも触媒の還元によりNO分解活性はいちじるしく上昇し,酸化により低下する。このとき,NO分解による生成酸素が触媒上に不可逆的に吸着し,活性低下の原因となっている。物理的混合触媒系におけるNO分解活性については,定常的には金属酸化物の共存効果は認められなかった。 しかし,[Pt15(CO)80]・2N(C2H5)4/アセトンや[Pt(NH3)2](NO3)2/H2Oから調製した種々の金属酸化物担持白金触媒系では,担体によって活性値にかなりの差異がみられ,活性の順にZnO,Cr2O3>γ-Al2O3,Co3O4,NiO>MgO,Fe2O3,SiO2,SiO2,Al203,Pr6O11,Mn2O3>CuO>V2O3の序列が得られた。また,N2/N2O生成比や見かけの活性化エネルギー(3~19kcal/mol)にも担体による差が認められた。 担体の効果を比較するため,一部の触媒,すなわちγ-Al2O3,SiO2,Al2O3,MgO,SiO2,ZnOに担持した白金触媒について白金分散度を測定して,400℃の活性を白金分散度で規格化した結果,白金粒径が大きいほど比活性が高い傾向があり,顕著な白金の分散効果が認められた。

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