Studies on deep-freezing of boar semen. IV. Additional effects of DMSO as a protective agent

Abstract
他の家畜に比べ液状成分が多いという特殊条件にある豚精液の凍結処理に,glycerolの代りにDMSOを凍結保護物質として用いてみた。まず,SGS卵黄緩衝液にDMSOを種々の濃度で含むものとglycerol 7%を含むものおよび凍結保護物質を全く含まないものについて,アンプル封入後,10°Cから-20°Cまで1°/1分,以下-79°Cまで5°/1分の冷却速度で凍結し,10°Cで融解して精子活力を比較した。1)凍結前10°C•6時間以内におけるDMSOの豚精子に対する毒性は,終末濃度が5,7,10および20%では対照として用いた7%glycerolとほぼ等しかった。2)用いた容量濃度の範囲内(終末濃度が,1,5,10および20%)では,DMSOは豚精子を凍結から保護するのに有効に働いた。しかし,いずれの濃度もその保護効果は7%glycerolよりも劣っていた。3)DMSOの用いた用量の中,アンプル封入による凍結法で最も効果のあった濃度は5%であった。次いで,DMSOの1,2.5,5および7.5%の各区とglycerol7%の区について,錠剤化凍結法を試みた。4)錠剤化した場合,DMSOは5,2.5,1および7.5%の順に保護効果を示したが,いずれも対照区より劣る成績であった。5)DMSOの7.5%区はその他の区よりも有意に劣る成績(P<0.01)を示し,5%区と2.5%区は対照区との間に差は認められなかった。これらの成績から,文献中の各条件を引用し,DMSOの豚精液への応用の可能性を検討した。

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