Changes of the hepatic extracellular matrix during the healing of the focal liver injury.

Abstract
ラット肝に火傷による巣状損傷をおこし,治癒過程における細胞外基質の経時的変化やその産生細胞についてペルオキシダーゼ酵素抗体間接法を用いた光顕・電顕的観察を行った.損傷1日目に肝細胞によるfibronectinの産生および肝細胞周囲への沈着,2日目より伊東細胞によるtype III collagen, laminin,内皮細胞によるtype IV collagen, lamininの産生を認めた.さらに損傷4日目では伊東細胞の著増とtype I collagenの産生の増加,内皮細胞による管腔形成とその基底側にtype III collagenの沈着を認めた.損傷8日目には損傷部の肝細胞によるtype III collagen, laminin, fibronectinの産生も認めた.このように障害肝の修復は肝内各細胞により産生される種々の細胞外基質の形成を伴なって行われることが明らかとなった.