The Spectrophotometric Method for the Indirect Determination of Chromium with 1-Phenylthiosemicarbazide

Abstract
クロム酸イオンが1-フェニルチオセミカルバジドを酸化して褐色化合物にするのを利用して,クロムの間接光度定量を検討した。発色は無機酸性では不安定であるが,約3N以上の酢酸酸性では約20分で吸光度は最大になり,以後非常に安定である。発色液は紫外部に最大吸収があるが波長372mμを測定波長とした。カルバジド添加墨はクロムに対してモル比で2倍以上を必要とする。発色化合物の有機溶媒による抽出相申にはクロムは検出されないので,これはカルバジドがクロム酸により酸化されて生ずる有機色素である。1~10γ/mlのクロム濃度範囲でBeerの法則が適合され,分子吸光係数は5200である。クロム(III)溶液またはクロム合金中のクロムの定量に本法を応用し,ジフェニルカルバジド法と比較して一致した結果が得られた。Fe3+はフッ化物,Hg2+は塩化物,Cu2+はEDTA試薬でマスクすれば妨害しない。VO3-はオキシン錯塩として抽出分離すればよい。MnO4-は微量でもカルバジドを酸化して妨害するがM2+は妨害にならない。Ni2+は6mg/50ml,Co2+は4.5mg/50mlまでは妨害にならない。発色化合物をクロロホルムで抽出する比色法を行ない,溶媒10mlで0.006~0.20mgのクロム濃度範囲でBeerの法則が適合され,測定感度を4倍に高めることができた。

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