The Optical Characteristics of the Water in the Three Oceans Part III
- 1 January 1969
- journal article
- Published by The Oceanographic Society of Japan in Journal of the Oceanographical Society of Japan
- Vol. 25 (2) , 81-90
- https://doi.org/10.5928/kaiyou1942.25.81
Abstract
大洋の海面及び海中に透入する太陽エネルギー量の分布は天空から海中まで一貫して考察する必要があると考えた. 東京水産大学海鷹丸南極洋観測 (1964. 10~1965. 3) 国際インド洋観測 (1963. 11~1964. 2) 及び国際黒潮観測 (1965. 8) において, 日射量の連続記録, 雲量, 雲形, 太陽正面の雲の観測及び水中照度の測定を行ない, 次の順序により海域別水深別太陽エネルギー量を算出した. 1) 季節変化を考慮した太陽常数と直達散乱両光を含む海面到達太陽エネルギーとから光の大気透過率 (q) を算出し, 晴天日におけるqと太陽高度との関係, 太陽正面の雲と太陽高度とqの相関, 日照時間内1日平均雲量と日射の減衰比 (Q0-Q/Q0…Q0可能日射量, Q測定日射量) の関係を出し, これらより各々可能日射量, 雲形別日射量及び天候別日射量を算出した. 3) 天候分布を参照して算出された夏期南極洋の全日射量は約12,000 g. cal/cm2. monthと書える. 3) 海況分布及びCOX and MUNK (1956), ANDERSON (1954) を引用して夏期南極洋における海面反射太陽エネルギー量を算出すると550~600 g. cal/cm2. monthと言える. 4) 4種類のフィルターを用い, 表層より140m深まで, 上方向の放射照度と下方向の放射照度を観測した結果, 亜南極海域, 南極海域, 南極収斂線海域, 東インド洋海域及び黒潮海域は顕著に光学的性質を異にしているので, JERLOV (1964) の波長別透過模様からみた海域の分類を引用し, その類似タイプを求め, 各海域における夏期1か月あたりの海中透過太陽エネルギー量を水深別に算出した. その結果, 南極収斂線海域は5m深でもはや約37g. cal/cm2. dayとなり, これは亜南極水域の1/3, 東インド洋海域の1/4にあたり, 深くなるに従ってその比は増々大きくなると言える. 以上の方法により, 海洋光学的性質がある程度つかめている海域については, 刻々蓄積されている船舶よりの気象報から天候分布, 海況分布を調べることにより, 即刻大洋の海面及び海中における太陽エネルギー量の概算か可能である. 今後, 各大洋の海洋光学的面からみた季節的変化, 時間的変化等を調査することによりこの概算がますます正確度を増すであろう.This publication has 1 reference indexed in Scilit:
- OPTICAL CLASSIFICATION OF OCEAN WATERPublished by Walter de Gruyter GmbH ,1964